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古本をめぐる物語

 ビブリア古書堂の事件手帖がドラマ化され、話題になりましたね。古本が好きな人にとっては売る本を題材にした本というのは特別な魅力があります。この本以外にも、古本を題材にした本をいくつか紹介します。

■「古本屋探偵の事件簿」紀田順一郎
古書店を営み、珍書や奇書など、何でも探しますというのが売りの、本の探偵でもある主人公が事件に巻き込まれ、事件解決のため探偵役になり事件を解決していくという話です。分厚い上にちょっと読みにくいと感じる人もいるかも知れませんが、古書好きの人なら満足できる一冊。

■「せどり男爵」梶山季之
本を転売するせどりを仕事にしている、通称「せどり男爵」が語る古書をめぐる話。この本が書かれたのは昭和40年代ですから、もちろん今のようにインターネットオークションなどで販売するタイプのせどりではなく、アナログなせどりで、せどりの仕事に絡んで出会った本に執着するあまりに事件を起こしていく人たちの話。その時代の独特の雰囲気もすてきです。

■「薔薇の名前」ウンベルト・エーコ
映画で見た人もいるかも知れませんね。ショーン・コネリーが渋いので、本だけではなく映画もおススメ。ちなみにショーン・コネリーのトンスラは、当時すでに髪を剃る必要がなかったそうです。中世イタリアの修道院を舞台に起こる連続殺人事件をめぐるお話です。探偵役は修道士で、助手は見習修道士。きっちりとしたミステリーですが、カトリック色が強くキリスト教に疎い人にはちょっと納得いかない部分が出てくるかも知れません。

■「災いの古書」ジョン・ダニング
古書店を営む元刑事クリフは、サイン本の収集家であった殺人被害者をめぐる事件の解決調査を頼まれます。被害者の妻が自白し、容疑者となるのですが、その容疑を晴らすという形で話は進んでいき、怪しい容疑者が次々と現れる……という話です。ジョン・ダニング自身、古書店を経営しているそうで、古書にまつわる蘊蓄も盛りだくさんです。あ、シリーズものですのでお気に召したらシリーズの最初から読んでみて下さいね。

■「快楽殿」森真沙子
幻とまでいわれている入手困難な本、「快楽殿」という雑誌をめぐるミステリーです。珍しいのは、主人公がオンライン古書店を経営しているというところでしょうか。ちょっとマニア向きな面があって読む人を選ぶと思いますが、はまる人にはすごく面白いはずです

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