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サイン本の価値

 サイン本は、その本の著者がサインしたのであれば通常は高値が付くのでは? と思われがちですが、そうとばかりは限りません。サイン本は、その著者のファンであれば欲しいと思う人が多いのだから、当然高値が付くというのは幻想なのです。なぜかというと、そもそも多くのサインはその真偽鑑定にお金をかけるほどの価値はないからです。ですから、本物かどうかは分からないイコール、「汚れ」として扱われることになってしまうわけですね。
 新古書店などでは、多くの場合、サインは付加価値ではなく「汚れ」なってしまうのです。新古書店は、そもそも本の価値を判断する基準が違うということもあります。世間で人気がある本、例えば現在も連載中の漫画の本などは定価の7割程度の値段で売られることがあって、連載が終わり、回転が少ない本は安くなるということです。回転が速い本というのは、結局流行り廃りがある本ということです。そうした基準で価格を決める古書店にとっては、サイン本が本物かどうかを見分けられるような人もいませんし、鑑定に出すこともありません。
 そして新古書店ではなくても、鑑定できる人に仕事をお願いして、その依頼料、プラスサインの付加価値を上乗せした金額で販売しても単純に売れないのです。ですからサイン本は意外と安かったりするわけです。ただ、自分が本物だと見分けが付くのであれば、それは通常の古本よりも価値のあるお宝になるかもしれません。中には、そうしたサイン本を数多く扱っている古書店もありますが、その場合そもそも鑑定できる人がその古書店を経営しているという事も多いのです。そうでなければ、割にあわないからです。

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